インフォアーツ領域

中間知識のブリコラージュへ

マイナンバーは航空母艦と同じ。安全保障の問題だ。

マイナンバーで高度な個人情報が一挙に名寄せできるようになった。メリットがあると言うが、ユーザーサイドからすれば、免許証もパスポートもないおばあちゃんがケータイを買うときに提示できるぐらいじゃなかろうか。喧伝されている「便利」なんて、ほんとくだらないことばかりである。手続きのために何回か役所に行くのが、そんなに苦痛なんだろうか。伝えるメディアサイドの人も、ほんとにそれらがメリットだと思っているのであろうか。だとしたら、なんと不勉強なことか。どうしてマスコミには、そういう低リテラシーの人ばかりが集まっているのかが理解できない、いまどき。ま、学校歴選抜方式がおかしいんだよね。優等生の持つ学力は、現実社会の理解とはほとんど連結していないから。

マイナンバーのメリットは行政サイドにのみある。これは一方的なメリットだ。住民管理ツールが実態なのである。もちろんこれはある程度は必要である。むしろ、それぞれの部門でしっかり管理してもらいたい。なにせ社会保険庁時代はひどいものだった。ちゃんとしてほしい。

けれども、分散する高度な個人情報を一丁づけるメリットに見合うだけのリスク管理がされているのかが大問題である。セキュリティが完璧であればいいが、実態はほど遠い。ほんとに遠すぎる。

そもそもサーバーサイドが心配。なぜなら外注だから。外注先は下請けに出し、下請けは孫請けに出し、実際にはアルバイトがやっている・・・という日本の情報システム業界は信用できない。業界改革なしには無理だ。むしろちゃんと「制服組」組織を制度化して内製化したほうがベターだと思う。ちゃんとみんな公務員にする。自衛隊並みの規律も必要。なぜなら情報システムは要塞であり武器だから。航空母艦と同じである。「これは危ないよ」と危惧する人もいるとは思うが、国産OSも国産セキュリティツールも主流になっていない日本では、そっちの方がベターだと思う。これは安全保障の問題なんだよ。

さらに、直接端末を操作する担当者のセキュリティ意識を高めるのは容易ではない。かつて「サーバーを直接管理する端末なんだから、せめてバスワードは月一でいいから変えようよ」としつこく言っても、ふつうのリテラシーの人は「めんどくさい」で終わりである。こっちは「めんどくさいことを言う人」とレッテルが貼られて終わり。さらに配置転換で担当者のリテラシーは元に戻る。これはどんどん劣化する。必ず。なぜならリスク・リテラシーの高い人の仕事は組織内にどんどん増えていくからだ。コンピュータで個人情報を扱わない組織はない。いまどきの入社試験で必要なのは英語ではなく、こっちのほうじゃないかな。英語はそのうち自動翻訳でなんとかなるよ。

こういう一般的な警告を無視すること自体もじつは問題である。執行者サイドは「自分の立場を防衛する」ために、そうした警告を「クレーム」と定義して対応する。たいていは対応しない。ちゃんと応答しない。相手にしない。原発再稼働問題と同じである。かれらが守っているのは「人びとの安全」ではなく「自分の立場の安全」なんだよね。

これから具体的なトラブルがゾクゾクとでてくる。被害者がそれを自覚することは、あまりない。自覚するときは、すでに手遅れになったときである。それをひとつひとつ丁寧に拾って対処できるだけの能力が現場にあるんだろうか。もともとない能力をつけるためには相当のトレーニングが必要だと思う。1日とか2日の研修でできるわけがない。

端末の問題もある。いつまでWindowsの古いのを使っているんだろうか。せめてリプレイスをしてほしい。できれば国産OSでマイナンバー専用端末を配備してほしい。マイナンバーは航空母艦と同じなんだ。安全保障の領域である。