インフォアーツ領域

中間知識のブリコラージュへ

内田樹『街場の中国論』『街場のアメリカ論』は読んだぞ

安保法制がずんずん進んでいた中で読んだ2冊。この2冊については、まだ言及していなかったので、米中首脳会談にさいして一言。アメリカも中国もそれぞれ理解が難しい。反米とか嫌中とかの立場に感情的に固定してしまうと、もう何も見えなくなる。広い国土、さまざまな集団、とくに中国は長い歴史、アメリカの愛国、革命と戦争の歴史、そういう大前提が見えなくなると、判断も誤ってしまう。少なくとも、どういう思考法を取るのかがわからない。かといって、まじめな研究書を読んでも、結局、よくわからないのだ。大局観に立てないから。とずっと思っていて、どうしたものかと思っていたら、内田樹さんが丁寧に説明してくれていた。大学院の授業でリスポンスとして話したことをまとめたものである。こういう大ざっぱで、なおかつ見通しのつく語りを読みたかった。ここから米中理解を始めるといいんじゃないかな。私なりにまとめると、内田さんは「アメリカなるもの」「中国なるもの」のそれぞれに集合的精神構造のようなものがあって、そこから歴史や現実を眺めると、けっこう一貫性があるということを指摘している。いわゆる「お国柄」というか「心の習慣」「ハビトゥス」のようなことがらである。読んでみると、私たちが日本語圏において流通している知識(ステレオタイプ)が、意外に間違っていることを思い知らされる。すぐ読めるわりには、得られるところの多い本だ。ま、立場を設定してものを考えるのはやめにしよう。私はやめた。デフォルトから考える。

f:id:nomurakazuo:20150922095516j:plain